備前橋①
おえんさん(1955年 東宝)
婚約中の広志と珠子、今日は備前橋の上で待ち合わせだ。
橋の上より西方向を見る①。P01
築地本願寺の屋根がしっかり見える。
橋の上より西方向を見る②(Googleストリートビューより)。P02
築地本願寺が思ったよりよく見える。当時は歩道と車道の境辺りに橋の欄干があったと思われる。その向こうは川になるが、埋め立てられ駐車場に変わってしまった。
橋の上より東方向を見る①。P03
聖路加病院がよく見える。下を流れる川は築地川南支川になる。
橋の上より東方向を見る②(Googleストリートビューより)。P04
中央の樹木の奥に、聖路加タワーらしきものが薄らと見える。
〔解説〕
備前橋は旧築地川南支川に架かる橋だ。橋の袂に備前岡山藩の中屋敷があったことが名称の由来と考えられている。下の切絵図、中央に築地本願寺がかなり幅を利かせているが、その右上に備前橋が確認できる。橋の左に「松平内蔵頭(まつだいらくらのかみ)」とあるのが備前岡山藩の中屋敷になる。
得意分野なのでついでに書くが、備前橋の右上に「数馬橋」とあるのが旧堺橋、その上の一角、聖路加病院のある場所だが、当時(江戸期)は鉄砲洲と呼ばれていた。忠臣蔵でおなじみの播州赤穂浅野家の上屋敷があった場所だ。
備前橋から掘割を上へ、軽子橋をくぐり左へ行くと合引橋になる。現在の三吉橋だ。その下の松平土佐守の中屋敷の場所が中央区役所になる。
掘割を下に行くと名前の無い橋がある。これが萬年橋。晴海通りになる。その下の二ノ橋が采女橋。橋の左上酒井右京亮の上屋敷が時事通信社、左下の松平周防守上屋敷が旧日産本社、その右の稲垣若狭守上屋敷が新橋演舞場だ。この掘割を現在首都高内環状が走っている。堀を挟んで増山河内守の中屋敷が国立ガンセンター、その右の稲葉長門守の中屋敷辺りが築地の場内市場だ。
この図を見ると、現在の場外市場も築地本願寺の境内だった事がわかる。最後に本願寺の右下にある本願寺橋は、場外市場内にあった旧小田原橋になる。
〔このシーンの出演者〕
・小泉博 ・司葉子
〔ロケ地情報〕
名称:備前橋
住所:東京都中央区築地7-5-12あたり
交通:東京メトロ日比谷線築地駅下車徒歩2分